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残業代請求書とは

残業代が未払いのまま2年が過ぎてしまうと消滅時効によって企業側の支払い義務が無くなります。
せっかく時間と労力を犠牲にして働いたのに、時効という名の制限時間が決められているのは理不尽に感じるかもしれません。
しかし、時効があることに憤るよりも、残業代を払わない会社側に請求した方がよほど現実的かつ建設的と言えるでしょう。
そこで今回は、残業代を会社に請求するときに作成することになる残業代請求書について詳しくご紹介します。
残業代が支払われない場合、最初に行うべきは企業との交渉です。
残業代が支払われていない旨を上司や担当者に報告したうえで、交渉の席を設けてもらうというのが理想的な展開です。
しかし、こういった展開はいわゆるうっかりミスで残業代を払っていなかったという場合がほとんどで、企業が最初から払おうという意思がない場合には交渉の場さえ用意されずに黙殺される恐れもあるのです。
残業代請求書はこうした事態を打開する一歩といえます。
残業代を請求する、すなわち催告という手続きを経ることで、残業の消滅時効を中断させることが可能です。
企業が黙殺して時効を待つという手段を封じるだけでなく、訴訟や労働基準監督署に通告する際にも請求書を出しておくことはプラスの材料になります。
では、残業代請求書には具体的に何を記載すれば良いのでしょうか?
通知書と題した文書には、自分が働いた日時と勤務体系、未払いの残業代の具体的な金額を記す必要があります。
さらには、労働基準法のどの情交に違反しているのかを添えておくと、主張に説得力が生まれることでしょう。
こういった事項を記したうえで、未払いの残業代を支払って欲しいこと、支払いの期日や手段について詳細に書き記してください。
結びの文章として、もし支払われない場合は労働基準監督署への通告や裁判も辞さないという文言を付け加えます。
請求書のページが複数枚に及ぶ際には、契印を押してホッチキスで止めましょう。
以上の内容を記した文書は、内容証明で送るのが一般的です。
訴訟になった際に、こちらの請求行為が催告として効力を持つのは、相手方に書類が届いていることが前提です。
内容証明はこれを保証してくれるので、アクシデントで請求書が届かなかったという言い訳を防ぐことにも繋がります。
また、いつ郵便が配達されたのかを証明してくれる配達証明という形の発想を同時に利用すると、請求書に関する証拠能力は向上します。
請求書を正しく書くことは、残業代を手に入れるためには欠かせません。
文書の書き方や発想の方法に不安があるという人は、お近くの弁護士や労働基準監督署に相談してみてください。

残業の仕組みとサービス残業

日本には労働基準法という法律があり、労働者は1日8時間及び週に40時間が労働における時間の制限となっています。
しかし、実態はどうかというと、終業時間を過ぎても平気で残業している人が溢れかえっていますよね。
これは違法ではないのかという指摘をされる方もいることでしょう。
そこで今回は、残業代請求の前に知っておきたい残業の仕組みとサービス残業について詳しくご紹介します。
労働基準法では40時間や8時間といった労働時間の制限を設けている一方で、「時間外・休日労働に関する協定届」に関する規定も定めています。
労働基準法36条に基づいたこちらの届を労働基準監督署に提出していれば、従業員がいわゆる残業や休日出勤をすることが可能になるのです。
皆さんも契約を結ぶ段階でこういった書類にサインしていることでしょう。
こういった届け出がなされて初めて残業という形で働けるのです。
残業には法定内残業と法定外残業の2種類があり、後者の残業に関する未払いの残業代を請求する権利を労働者は持っています。
法定内残業とは、簡潔に述べると休憩時間と帳消しになってしまう残業のことです。
例えば、8時間の勤務になっているけれど、実際は1時間の休憩と7時間の労働という形で働いている人がいたとします。
そういった方が1時間残業したとしても、それは休憩の1時間と相殺されるので、実際の労働時間は8時間となるのです。
この1時間に当たる部分の残業が法定内残業であり、労働者が残業代を請求することは出来ません。
一方で昨今問題になっているサービス残業の多くは、法定外残業と考えられます。
サービス残業というのは企業側にとってのサービスであり、従業員にはただ働きでしかありません。
給与が支払われない残業体系は本来許されるものではなく、労働者は残業代を請求する権利を有しているのです。
サービス残業の残業代を請求するには、形に残る証拠を集めておく必要があります。
勤怠やタイムカードは分かりやすいですが、サービス残業の場では勤怠が正しく切られていないことも多いのが現状です。
ではどうしたら良いのかというと、皆さんが働いた足跡を客観的な証拠として収集すれば良いのです。
例えば、従業員が利用するパソコンのログイン記録です。
従業員がそれぞれ固有のIDやパスワードで操作するタイプのパソコンであれば、その記録を参照する形で労働の実態を明らかにすることが出来ます。
店長やオーナーとの通話の中で、法定外労働に関する話題が出た場合はそれを録音しておくと良いでしょう。
自分がいつから働いて、いつ仕事を終えたのか。
サービス残業に泣き寝入りしないためにも、地道に証拠を集めて残業代を請求しましょう。

残業代請求における証拠とは

残業代が支払われていないことに気づき、会社側に請求しようと思っているみなさんがいたとしたら、手元にどれくらいの証拠があるか確認してみてください。
残業代請求において証拠は何よりも雄弁に皆さんの主張を後押しします。
残業代という、汗水垂らして働いた成果が払われないままでいるのは悔しいですよね。
しかし、会社側が支払いを拒否した場合は、証拠という見方がいた方が交渉はスムーズに進むのです。
もし訴訟や労働基準監督署のお世話になることがあったときも、証拠の有無が説得力を大きく左右します。
そこで今回は残業代請求における証拠について詳しく見ていきましょう。
最初に確保しておきたいのは、皆さんがどのような労働形態で働いているかを証明する書類です。
残業は働き方によっては請求可能な額が変わってきます。
雇用契約書や労働に関する条件を記載した書類は、会社側が不当かどうかを判断する基準となる大切な文書なのです。
さらに、時間外労働に関する働き方については、就業規則に詳細を記載している企業が大半です。
残業代を請求する前には必ず内容を確認しておき、本来払われるはずの残業代の計算にも役立てましょう。
次に用意していただきたいのは、皆さんが実際にどれだけ働いたのかを示す証拠です。
一番わかりやすいものはタイムカードの記録です。
勤怠を切った時間がわかれば、就業規則に照らし合わせることでどれくらい残業したかを確認しやすくなります。
労働した際に必ず記載するもの、例えば就業日誌があればそれも証拠として採用されます。
ただし、日誌の場合は上司がその内容を認めている印がなければ、効力が失われることを覚えておきましょう。
日誌に付随して、業務中に使用したツールが仕事の実態を指し示してくれることがあります。
業務中に閲覧したメールの時間記録や、オフィスに設置してあるパソコンの使用記録などがそれにあたります。
また、カードキーなどでオフィスへの出入りを管理している場合には、出入りの記録も労働時間を表す一つの証拠として力を持つこともあるのです。
オフィスや業務の進行中に手に取ったものでなくても、皆さん自身の手で仕事の内容を記した日記などが残業した時間を立証するための傍証として役立つ可能性も捨てきれません。
上記のような証拠をもとに、自分がどれだけ残業したかを示す書類を作っておくと、交渉の場で余計な時間を消費することがなくなります。
万全を期したいという方は、企業と交渉に臨む前に、残業代請求の問題に強い弁護士に自分の集めた証拠がどれくらい有力なのかを点検してもらうのも一つの手段です。